統一教会の被害

米連邦議会で宗教迫害に対するシンポジウム開催



米連邦議会で宗教迫害に対するシンポジウム開催
文仁進 北米大陸総会長がメッセージ
「国際社会が対処する必要がある」
 天宙平和連合(UPF)は8月1日、統一教会員に対する拉致監禁・強制改宗問題など信教の自由侵害の実態を報告するシンポジウムを、米国・ワシントンの連邦議会で開催しました。米国の同盟国・友好国、または民主主義国であることなどを理由に国際社会から見過ごされがちな宗教迫害に対し、米政府・議会はもっと積極的に関与するよう促すことを意図したものです。文仁進・北米大陸総会長が講演されたほか、著名な国際人権問題専門家らが報告を行いました。


■著名な国際人権問題専門家らが報告

 シンポジウムではまず、今年日本を訪問し、統一教会の拉致監禁被害者らと面会するなど、問題解決に大変協力的なダニー・デービス米下院議員(イリノイ州選出・民主党)が挨拶しました。

 続いて登壇した国際ヘルシンキ人権連合元事務総長のアーロン・ローズ氏は、「信教の自由は地球上に住む全ての人にとって不可欠なもの」とした上で、統一教会員に対する拉致監禁について、「私は過去20年間、あらゆる人権問題を見てきましたが、これは極めて悲劇的な状況です」と述べ、いかに深刻な人権侵害であるかを強調しました。

 ローズ氏は、数千人の統一教会員が拉致監禁されたにもかかわらず、一件も起訴されていないことについて、「警察の怠慢であり、政治家も警察組織に対する適切な監督を怠っています」と批判しました。その上で、「彼ら(統一教会員)は国際社会の支援を必要としています。米政府は日本当局に対し、この問題を提起すべきです。そして、他の国々にも日本に問題を提起するよう働き掛けるべきです」と述べ、米国は日本に対する国際的圧力を強化すべきとの考えを示しました。

 この後、米政府・議会関係者への陳情活動のために訪米していた拉致監禁被害者の美山きよみさんが、問題解決に向け国際社会の支援を訴えました。美山さんは1990年と96年の2回、計3年3か月監禁されました。

■ 「日本の兄弟姉妹を何とか助けたい」

 続いて、文仁進様が講演されました。仁進様は冒頭、「日本の兄弟姉妹が言語に絶する虐待を受けていることを知った時、私は夜も眠れませんでした。そして、胸が張り裂けるようなこの問題に全力で取り組むことを決意しました」と、拉致監禁問題に深く関わるようになった動機や経緯を説明されました。

 仁進様は、12年5か月にわたって監禁され、体重がほぼ半減した後藤徹さんのケースや、監禁中にレイプされた女性教会員がいることを挙げながら、「日本の兄弟姉妹は30年間にわたり、約4300人が虐待され、今も恐ろしい犯罪に苦しみ続けています」と訴えられました。そして、日本当局が拉致監禁問題を「単なる家族の問題」と主張していることについて、「レイプや暴行、拷問は単なる家族の問題ではなく、人権侵害です。国際社会が対処する必要があります」と強調されました。

 仁進様はまた、国際祝福を受けて米国に住む日本人教会員の中には、拉致監禁を恐れて日本に帰国できないメンバーがいることを指摘し、「これは米国の問題でもあります」と、米政府による積極的な関与を求められました。

 日本の兄弟姉妹を何とか助けたいという強い情熱が伝わってくる仁進様の講演は参加者に大きな感銘を与え、シンポジウムの司会を務めた「人権のためのリーダーシップ協議会」のキャスリン・キャメロン・ポーター会長は、「大変感動的で、美しい講演でした。あなた(仁進様)の寛容と思いやりの声がもっと多くの人に聞かれたら、世界はより良い場所になるでしょう」と称賛しました。

■米国務省「国際宗教自由報告書」

 シンポジウムではこのほか、ポーター会長や「宗教の自由のためのベケット基金」のティナ・ラミレス国際・政府担当部長が、トルコやイラク、キプロスなどで起きている宗教迫害の実態について報告しました。

 仁進様は日本の拉致監禁問題を解決するため、多大なエネルギーを投入されています。昨年7月には、迫害を受ける様々な宗教組織、有力人権団体の代表者を集め、「今すぐストップ宗教迫害!」と題する会合をワシントン・タイムズ本社で開催されました。

 一方、米国務省は7月30日に2011年版「国際宗教自由報告書」を発表しました。報告書は日本について、「ディプログラマー(強制改宗屋)たちが家族と手を組み、統一教会やその他の少数派宗教団体の信者を拉致していることが報告されている」と、拉致監禁問題を取り上げ、問題視しています。

 報告書によると、昨年、統一教会員が拉致されたケースは2件あり、1人は5か月間監禁されたのち、脱出に成功。もう1人は、3週間の監禁ののち、解放されました。他にも拉致と疑われるケースが3件ありました。

 報告書はまた、日本の各大学がカルト対策として、学生を統一教会系の団体に関わらせないようにするなど、キャンパスが統一教会の学生にとって「敵対的な環境」になっているとする教会側の主張を紹介しています。

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